長期間留守にする場合、心配なのは庭の植物たちの水やりですよね。特に1週間や10日間も不在となると、何かしら対策をしないと不安です。近所に水やりを頼めるような知人や親戚もいるわけではないし・・・。
植木鉢やプランターなどの移動できるものならば、室内に移動したり、受け皿に水を張ってそこに鉢を付けておいたり・・・など、色々と対策できるのですが。
庭に地植えしている植物の場合は、どうすれば良いでしょうか?
最も確実な方法は、タイマー式の自動灌水装置を設置することです。灌水開始時刻や灌水時間等を、タイマーにセットしておくことによって、確実に水やりをすることが可能です。ただし、これは、設置に数万円~十数万円かかってしまいます。
滅多に留守にしない場合は、装置にそんなにお金をかけるのはもったいないですよね。
なるべくお金をかけずに、庭に地植えしている植物に留守中に水やりをする対策を、解説致します!
また、万が一、帰宅した時に植物がしおれてしまっていた場合の対処方法も、合わせて知っておきましょう。
留守中の地植え植物への水やりはどうすれば良い?
・日差しを遮る
すのこ、寒冷紗(日光を遮るもの)などで覆います。上部と西日避けしただけでもかなりの効果があります。
・乾燥を防ぐ対策をする
地植えしてある全体を、完熟腐葉土やチップ材で厚く養生して土壌の乾燥を抑えるようにします。それだけでも、水は普段の2分の1~3分の1で済むようになります。
または、保冷材の中身を出して、土に置き、その上に更に土をかけてから水を大量に与えておきます。保水効果が期待できます。
・穴を開けたホースを利用する
水道から長くホースを引けるなら、長いホースを用意し、所々に穴を開けて水道につなぎます。それを植物の間に渡して、水道からほんのチョロチョロと水を出しておきます。
・ペットボトル装置を利用する
ペットボトルの先端に専用の器具をつけ、水を満たしたペットボトルを、逆さに土にさしておくという方法。最近は100円ショップなどでも簡単に手に入ります。
ただ、地植えの範囲が広い場合には大量に必要なことと、長期の留守にはあまりこの方法は向きません。
・普段から植物を「イジメ気味」に育てておく
普段から、水やりは頻繁にせずに、極力最低限の水やりで育てておくようにします。そのように「イジメ気味」に育てておくと、水が切れてしまっても少しの間なら持ちこたえてくれる、丈夫な植物に育てることができます。
一旦水やりをしてから数日たち、土が完全に乾いたら、次の水をあげるようにしましょう。植物は主に根の先端部分で水分を吸収しています。そのため、先端付近の土が乾燥してくると、根は水を求めてもっと遠くへ伸びていこうとします。逆に根の周囲が常に湿った状態だと、現状に満足して根はそれ以上伸びていこうとしません。植物にとって根は、水分や栄養分を吸収すると同時に、地上部の植物体を支えるという重要な役割を担っています。しっかりと広範囲に根が張ることで多少の水切れにも動じなくなり、枝を大きく張らせ、葉をたくさんつけることもできるのです。
土が乾燥しているかどうかは、土の中に人差し指を第一関節くらいまで入れて確かめてみてください。さらっとしていて、指に何もついてこなければ、完全に乾燥している状態です。慣れるまでは、何となく植物に対して可哀想な気もしたり、不安もあるかもしれませんが、ぜひチャレンジしてみてください。
毛細管現象を利用した水やり装置を自作するには?
毛細管現象とは繊維と繊維の「すきま」のような細い空間を、重力や上下左右に関係なく液体が浸透していく現象のことです。
この毛細管現象を利用して、給水システムを手作りすることができます。言葉は小難しいですが、やることは簡単です。(装置・・・という程大げさではないです)
まずタオルを細長く切って帯状にしたものか、ガーゼを用意します。
水を入れたバケツを用意し、帯状の布の片方をバケツの中に入れ、もう片方を土の表面に置きます。そうすると、布を伝ってジワジワと水が土に供給されていきます。
地植えの範囲が広い場合は、バケツを数個用意したり、1つのバケツから何本も布を垂らすことで、広範囲に給水することができます。
布の太さによって、供給される水の量が変わってくるので、あらかじめ試しにやってみて、どれくらいの太さの布でどれくらいの水が土に浸透していくか、様子を見ておきましょう。
布は使い古しのタオルなどで十分ですし、全くコストのかからない方法です。試しにやってみて、理想とする水分量が給水されるようでしたら、お勧めの方法です。
すのこなどで日除けをして、更にこの毛細管現象の装置を利用するなど、複数の方法を利用するとより効果的です。
どの方法を利用するにしても、留守にする前に一度試してみて、一番自分に合った方法を見つけてみて下さい。
しおれた植物を復活させることはできる?
色々と留守中の水やり対策を施しながらも、帰宅してみたら植物がしおれてしまっていた・・・残念ですがそういう可能性も、あり得ますね。
でも、諦めないで、植物たちに元気に復活してもらいましょう!
まず、水をたっぷりあげます。
植物が弱っている場合、肥料をあげると余計にに弱ってしまうことがあるので、肥料をあげてはいけません。
肥料無しの、活力剤を与えましょう。
枯れてしまった部分はカットします。広範囲にわたる場合は、枝を切っても構いません。ほとんどの植物は、また新たな葉や枝が再生します。
枯れた部分を切ることで、植物全体の負担を減らすこともできます。
カットする際は、切り口から細菌などが入らないように、清潔な刃物を使いましょう。
まとめ
鉢植えとは違って、地植えの植物の場合は留守の間の水やりに困るもの。普段から大事に育てているだけに、なおさら心配ですよね。
高価な自動潅水装置は確かに便利で確実ですが、それに頼らずとも、留守中の水やり対策は色々と手段があります。
留守にする前に、色々な水やり対策を試して、自分に合った方法を見つけて下さい。
そして万が一しおれてしまった場合も、諦めずにその後のケアをしっかりとして、元気に復活させてあげましょう!