「マーガリンはトランス脂肪酸が入っているから体に悪い」と言われているものの、今まで自分が食べる分には、特に気にしていなかったけれど・・・。
でも、子供に対しては違いますよね。
やっぱり子供には、体に悪いものはなるべく避けたいし、少しでも良いものを食べさせたいです。
やっぱりマーガリンは食べない方がいいのでしょうか?そもそも何でトランス脂肪酸は体に悪いのでしょうか?
トランス脂肪酸の含有量が少ないマーガリンや、マーガリンの代替品について、ご案内します。
トランス脂肪酸入りのマーガリンは何で体に悪いの?
マーガリンが体に悪いと言われているのは、「トランス脂肪酸」が入っているからです。
「トランス脂肪」とは、(小難しい説明は省きますが)水素化合処理という強引な化学処理で生まれたもので、本来自然界には無い脂肪です。そのため、良く「異変脂肪」とか「プラスチック脂肪」などと言われることもあります。
植物性マーガリン・ソフトマーガリン・植物性ショートニング。これらは常温で固形ですね。
バターなどは動物性の脂肪でできているので、常温でも固まりやすいです。が、本来100パーセント植物油であるマーガリンがなぜ固まるのか?なぜ常温で溶けないのか?良く考えると不思議なことです。(サラダ油やオリーブ油が常温で固まっているなんてあり得ませんね)
植物油を固体にする技術が1909年にアメリカによって作り出されます。(そしてその技術により、マーガリンが出来上がります。)
いずれマーガリンになるこの不思議な発明品は、窓際に何年置いてもカビも生えないし、虫が卵を産みつけもせず、ねずみやゴキブリも食べませんでした・・・。
なぜカビも生えない、ゴキブリも食べないのか?この理由が、最近1990年のオランダの研究者たちの研究で発表されてから、トランス脂肪酸の危険性について問題視されるようになってきました。
脂肪には、細胞膜の材料となったり、ビタミンA,E など油に溶けやすい栄養素を吸収したり、エネルギー源や体脂肪になったりするなどの働きがあります。
しかし、トランス脂肪酸を材料に作られた細胞膜は非常にもろく弱々しいため、有害な物質を細胞の中に簡単に通してしまうのです。
トランス脂肪は自然には存在しないため、体内ではそれをどう処理するか分らないため、体内ではとりあえず普通の脂肪と同じように対応しようとするようです。このためその処理がうまく行かず,毒物として作用したり、細胞膜や他の場所に蓄積されるという本来起こりえないことが起きてしまうようです。このためさまざまな障害が出てしまう原因となっているようです。
一番分りやすいのは、トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを上げ、善玉コレステロールを下げ、心筋梗塞などの発症リスクを高くする可能性がある、と言われています。
花粉症やアトピー性皮膚炎を悪化させるという説もあります。
・・・このようなことを聞くと、怖くなりますね。そのため、最近にわかにトランス脂肪酸を排除する動きが活発になっています。
しかし、アメリカなどの海外ではトランス脂肪酸が完全に禁止されているものの、日本ではまだ規制されていません。
日本人は欧米人に比べ、トランス脂肪酸の1日あたりの摂取量と総摂取エネルギーに占める割合のどちらもが、約8分の1と大幅に少ないです。そのため、日本で日常的な、普通の食生活を送っているのであれば、トランス脂肪酸の過剰摂取の心配はない、ということになっています。
実際、食品添加物が溢れている現在、気にしなければならないのはトランス脂肪酸だけではありません。
「トランス脂肪酸は絶対に体に入れてはいけない」と考えるのであれば、他にも危険と言われている食品はたくさんありますね。
あくまでも「摂りすぎると良くない」ということです。
確かに、トランス脂肪酸というものに対してあまり神経質になりすぎる必要はないかもしれません。しかし、「体に良くない」と分っているものを、積極的に取る必要もないでしょう。
特に、子供さんに対しては、避けることが可能であれば避けたいものですね。
トランス脂肪酸の含有量が少ないマーガリンは?
トランス脂肪酸の危険が分かったのであれば、やはり気軽にはマーガリンは食べたくないものです。
でもパン等には、やはり気軽に塗れるマーガリンは欲しいものですし、実際に子供も「パンにはマーガリン」と希望する子が多いです。
マーガリンを使うのであれば、トランス脂肪酸が極力少ないものを選びたいものですね。
(スーパーなどで日常的に売られているマーガリンのトランス脂肪酸含有量は100g中、4g~13gです。)
・創健社 「べに花ハイプラス マーガリン」
トランス脂肪酸含有量 約0.5g(100g中)
・創健社 「発酵豆乳入りマーガリン」
トランス脂肪酸含有量 約0.4g(100g中)
・「大地を守る会 マーガリン」
トランス脂肪酸含有量 約1.18g(100g中)
・「小岩井マーガリン(ヘルシータイプ)」
トランス脂肪酸含有量 約1g(100g中)
・月島食品工業株式会社 「パン屋さんのおいしいマーガリン」
トランス脂肪酸含有量 約0.5g(100g中)
「大地を守る会 マーガリン」は大地宅配のみで入手可能ですが、その他の商品は自然食品を扱うお店や、ネットなら楽天市場等で購入可能です。
また、トランス脂肪酸含有量が少ないからと、完全に安心できるわけではありません。
これらのマーガリンは、トランス脂肪酸を少なくするために、人工的に不飽和結合を飽和結合に変えています。結局、添加物が混ざっているのです。
なので、トランス脂肪酸は少なくても、あくまでも過剰摂取はしないように気を付けましょう。
トランス脂肪酸のマーガリンの代わりになる食材は?
・バター
マーガリンのように塗りやすさはないですが、バターに含まれるトランス脂肪酸は平均100g中に1~2gです。一般的なマーガリンの3分の1以下で、かなり少ないです。
食べる前に、使う分だけを事前に常温に戻して柔らかくしておくと、塗りやすくなります。
・オリーブオイル
オリーブオイルは、「オレイン酸」という成分が豊富です。これは、善玉コレステロールを下げず、悪玉コレステロールだけを下げて内臓機能を改善してくれる働きを持ちます。
フランスやイタリアなどでは、パンにオリーブオイルをつけて食べる習慣があります。カリカリに焼いたフランスパンやトーストにオリーブオイルをつけ、塩や生ハムを乗せて食べるのがスタンダードです。オリーブオイルがパンにしみこみ、豊かな香りとわずかな塩気がマッチします。
ヘルシーで美味しいオリーブオイルはお勧めです!
・蜂蜜や天然のメープルシロップ
甘い味付けをしたい場合は、蜂蜜や天然のメープルシロップを使うのも良いです。蜂蜜や天然のメープルシロップには、トランス脂肪酸が含まれていません。
まとめ
トランス脂肪酸に対して、極端に神経質になる必要はないと思われますが、体に良くないと分った今、積極的に摂るのは控えたいものです。
可能な限り、トランス脂肪酸の少ないマーガリンを選んだり、マーガリン以外の食材を使うようにしましょう。
子供さんには、体に良くないと分っているものはなるべく避けて、少しでも健康に良いものを食べさせてあげたいですね。